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投稿日:2021年01月22日
いわゆる「非生産部門」と言われる総務や経理、秘書といった部門は、「売上に関係のない部署」として軽く見られがちではないでしょうか。
でも、じつはそうではありません。非生産部門は、契約までのスピード感や入金サイクル、営業部門への書類サポートや契約書案の作成など非常に深くかかわっている部署。非常に大切な役割を担っています。
たとえば、契約書作成の際には、既存のフォーマットを使いまわしたりネットからひな形を取ってきたりすることも多いでしょう。でも、本来、契約書は案件ごとに丁寧に精査されるのが理想なのです。というのも、契約書作成は売上までのスピードを左右する重要な業務だからです。
一般的に、契約書は難しい言葉で書かれており、わかりにくいというイメージを持たれています。実際、そのような契約書は非常に多いと思います。契約書を作成するときに、難解な契約書のひな形を持ってきたものの、上手にカスタマイズできずに取引先からに突っぱねられてしまったという経験をした方も少なくないでしょう。
このように、契約書の作成に手間取ると、契約だけでなく請求のタイミングも延びてしまいます。そうすると、入金時期もおのずと先送りに…。小さいように見えますが、これが同時多発的にいろいろな部署で起こると、会社全体に与える影響は、大きいものになってしまうでしょう。
契約書と同様に、経理にかかわる請求書についても、計上の仕方が命取りになることがあります。営業部門を支援する書類をつくるにしても、目的に見合ったものを作成しなければ営業サポートにはならないのです。
また、取引先からの電話を受けるのは、内勤の事務の方が多いと思います。日々、窓口になる人がお客様に与える心象は、営業活動に大きな影響を与えるもののひとつ。決して売上にかかわりのないことではないのです。
このように考えると、非生産部門と言いながらも、じつは営業の一部を担っていることがわかるはずです。
弊社は少人数の会社ですが、「社員が何百人もいる会社だと思っていました」と言っていただくことがあります。大きな会社ほど信頼されやすい側面があるのは事実なので、そのように思っていただけることは大変ありがたいこと。
もちろん、「会社が大きいからいい、小さいからダメ」ということではなく、信頼していただける仕事をすることが大切なのでしょう。電話応対、メール対応、書類作成など…ひとつひとつの仕事がお客様の信頼につながっていくのです。
このように、ちょっとした対応が売上に直結することもあります。書類をつくること=非生産部門のゴールではありません。正確な書類をつくることでスムーズな契約や売上計上に貢献し、会社の信頼感を大きくアップさせること。
これこそが非生産部門の本当のゴールではないでしょうか。
また、正確な書類作成は公的な機関からも評価され、融資を受けやすくなるのです。
非生産部門は、武器職人であるとも言えます。どれだけ社長や営業部門のスタッフに「いい武器を持たせられるか」が腕の見せどころ。ゲームと同じで、優秀な武器や装備があればあるほど、自信を持って戦うことができます。装備や武器を増やし、その質を高めることができれば、より有利に戦いに挑めるのです。
このように考えると、十分にお金をかける価値のある部門なのではないでしょうか。事務系、秘書系、経理系などの非生産部門は、「隠れたスター選手」なのです。